
工場の制御システムにリモートI/Oってのを使用してるみたいなんだけど何だろう?
今回は工場でしばしば見かけるリモートI/Oについて簡単に解説していきたいと思います。
リモートI/Oの特徴とは?
さてリモートI/Oについて説明する前に工場の制御システムについて少し解説します。
大きな工場などでは工場が正常に動作しているか様々な計装機器を使用して日々管理をしています。
この管理を実施するためによく使用されているのがDCS(分散制御システム)と呼ばれているシステムです。
このDCSシステムは一般的には以下のように構成されており、現場で計測した温度や圧力といった情報を制御室のシステムで集約し、計器室や事務室にて監視することができます。
監視を行うために制御室の制御盤と現場の温度計や圧力計はそれぞれケーブルで接続されています。(上の図だと6つの計器と接続されているので6本が必要ということになります。)
しかし、大きな工場になると現場と制御室の距離が数キロメートルということも珍しくありません。
そこで出てくるのがリモートI/O盤と呼ばれる盤です。
リモートI/O盤を導入した場合のシステム構成は以下の通りとなります。
上の例の場合だと工場AとBの現場それぞれにリモートI/O盤を設けることで計器とのリモートI/O盤との配線の距離を短くするとともに制御室までの距離のある配線をネットワークを利用することで2本と非常に少なくすることができます。
今回の例では工場が2つ、計器が6つでしたが実際の工場では計器は数十、場合によっては数百個になってきます。

リモートI/Oのシステムは大規模な工場で現場がメインの制御システムと距離が離れている場合に特に採用されることが多いよ!
PLCとリモートI/Oとの違い

リモートI/Oのメリットは分かったけどPLCとの違いって何だろう?
リモートI/Oと似たようなものとしてPLCがあげられます。
ズバリPLCとの違いは「ラダーが必要かどうか」になります。
これはそれぞれの役割が違います。
リモートI/Oは単に接続している機器の情報を上位のシステムに送信するだけであるのに対してPLCはそれ単体で制御することができます。

感覚的にはPLCのほうが制御ができる分高度なシステムだけど保守とか考えるとリモートI/Oのほうがシンプルで使いやすかったりもするよ!
場合によって使い分けるのが大切だね。
まとめ
今回はリモートI/Oについて簡単に説明してみました。
リモートI/Oの特徴としては以下の通りになります。
- リモートI/Oはネットワークを利用することでシステム構築の方法のひとつで配線を簡略化することができる。
- PLCのような単体での制御システムはなく上位のシステムに情報を渡すのがメインの目的になる。
以上、皆さんもこれらを意識してシステム構築を行ってみてください。
コメント