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【機器】バルブとは?種類と特徴を簡単に解説!

基本設計

バルブとは?

バルブとは液体や気体といった流体の通路を開閉することで、量や流れ方向、圧力などを調節する機器のことを言います。配管におけるスイッチのような役割を果たし、水道やガス、発電所、工場、船舶など、さまざまな分野で利用されています。

そのため、工場などでの配管設計をする際にバルブの検討も一緒になされ、その場所にどのようなバルブを設置するかを考えます。

バルブには様々な種類がありますが、今回は工場などで一般的によく使用されている6つのバルブ(グローブ弁、ボール弁、ゲート弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、チェッキ弁)についてそれぞれの特徴について簡単に説明していきたいと思います。

 

代表的なバルブの種類と特徴

グローブバルブ(玉形弁)

グローブバルブはバルブ中にS字の流路があり、その流路を弁体にて上から抑えることで流体の流れを制御することができるバルブです。

流量を調節することが容易で、流れもきっちり止めることができるので、様々な箇所で一般的に用いられています。

メリット

  • 細かな流量調節を行うことができる。
  • 流体をしっかりと止めることができる。

デメリット

  • 急な開閉動作ができない。(全開状態から全閉状態まで、十回程度回す必要がある。)
  • 流路が複雑なため、圧力損失が大きい

 

ボール弁

孔(あな)の貫通したボールが弁体となっているバルブです。この孔の向きを管路に合わせれば流体が通りぬけて、弁体の向きを変えることで流体を止めることができます。バルブ操作が簡単なことが一番の特徴で、グローブバルブと共にプラントで一般的に使用されています。

おたち
おたち

ボール弁は流路がまっすぐなので取り付け向きなどを気にしなくてもいいのがいいね!

メリット

  • 操作が90°回すだけでよく、急な開閉動作が可能
  • 流路がまっすぐで圧力損失がほとんどない

デメリット

  • ON-OFF弁のため基本的に流量調節には向かない。
  • 摺動部が摩耗しやすく、経年劣化によりシール性が落ちる。

 

ゲート弁(仕切弁)

流路がまっすぐなので圧力損失も小さく、完全に開けた状態で流体を勢いよく流すか、あるいは、完全に閉めきって流体をきっちり止めるかの目的で使用されます。

一方で中間開度ではチャタリングを引き起こす原因となるため流量調節をすることはできません。

メリット

  • 流体を止めるのに優れている。
  • 弁幅が薄いため、小さなスペースにも設置することができる。

デメリット

  • ON-OFF弁のため中間開度で使用することができない。
  • 急な開閉ができない。(バルブハンドルを何回も回す必要がある。)
  • 全開状態では弁棒がかなり出っ張るため、設置個所の高さ方向に制限がある。

 

バタフライ弁

輪っかの中の円板(これが弁体)を90度回転して開け閉めができます。ボール弁と異なり、バタフライ弁は中間開度での流量調整機能にも優れています。また、幅をとらず、省スペースで設置できるのが利点です。

メリット

  • 開閉に必要な時間は比較的短い。
  • 弁体が薄く省スペースでの設置に向いている。
  • 流量調節が可能。
  • 圧力損失は少ない。

デメリット

  • 小さな開度での流量調節は苦手。
  • 高温・高圧流体にはあまり向かない。

 

ダイヤフラム弁

ダイヤフラム弁はその構造の特長から、おもに食・医薬品や化学、半導体関連のプラントでの活躍が目立つバルブです。

ダイヤフラム(diaphragm)は「隔壁、隔膜、横隔膜」という意味を持つ単語で、ゴムやフッ素樹脂などやわらかい素材でできた膜と膜をくっつけたり離したりすることで、流路の開け閉めを行います。

メリット

  • 駆動部が流路と仕切られているため漏れがない。
  • 適切な素材を選べば化学薬品に対して使用が可能
  • スラリー流体などに対しても使用することができる。

デメリット

  • 高温や高圧の条件だと使用が限られる可能性がある。
  • 流路は狭いため、圧力損失は多い。

 

チェッキ(チャッキ)弁

前述の弁が流体を止めるためのものであるのに対して、チェッキ弁は流体の流れ方向を制御するための弁です。

逆流を防止したい箇所に設置するのが一般的です。

チェッキ弁の種類として一般的にスイング型、リフト型、ウエハー型があります。

おたち
おたち

チェッキ弁を取り付ける際は取り付け向きが決まっている場合が多いからよく注意しよう!

 

まとめ

今回は一般的に工場で使用されているバルブについてその特徴をまとめてみました。

普段何気なく使用しているバルブたちも用途や特徴がそれぞれあります。

なぜそこにこのバルブが使用されているのかを考えながら、プラントを改めてみてみると新しい気付きや発見が得られるかもしれません。

 

 

 

 

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