化学プラントなどで配管に緑色の線がついていることがあります。
これはアースボンドといわれるもので、配管に静電気が溜まるのを防止するために取り付けられています。
今回はなぜ、アースボンドが必要になってくるのか?どのような時に必要になるのか?について簡単にまとめていきたいと思います。
アースボンドの役割とは?
アースボンドの役割はズバリ「配管に静電気を溜めない!」
これになります。
配管内は流体や気体が常に流れています。その際に配管の管壁との摩擦等により電化が移動してしまい静電気が生じてしまいます。

下敷きなどで服をこすると静電気が発生するのと同じような現象だね!
これを防止するために用いられるのがアースボンドです。アースボンドはフランジ同士を接続するボルト・ナットに挟み込む形で取り付けます。
一般にフランジ間には流体が漏洩するのを防止するためにガスケットと呼ばれるものが挟まっていますが、電気を通しにくいものも多くフランジの前後で特に静電気が発生しやすくなってしまいます。
ここにアースボンドを取り付ける(ボンディングする)ことで、フランジ間での電位差をなくし、静電気が発生するのを抑制することができます。
アースボンドが必要な流体って?
上記で説明した通りアースボンドを取り付けることによって静電気の発生を抑制することができます。
そのため、静電気の火花で着火し発火する「可燃性流体・ガス」に対してアースボンドが必要になります。
具体的にはガソリン・灯油といった石油製品やメタノール・アンモニア・水素といった様々な化学物質が可燃性流体・ガスと呼ばれています。
これらの流体等を扱っている場合はアースボンドを取り付ける必要があると思います。
アースボンドする際に気を付けること

アースボンドでフランジ同士をつなげたからこれでもう大丈夫!
ちょっと待ってください!
アースボンドを使用する際に注意しないといけないことがあります。
それは、接地をしておかなければならないということです。
配管同士をただボンディングしただけでは配管の電位差はなくなったかもしれませんが、周囲の物体との電位差は発生する可能性があります。
それを防ぐために必ず配管のルート上のどこかで接地を行ってください。
配管自体でも接続されているタンクでも配管を積載しているラック経由でも構いません。
確実に接地されていることを確認してください。
まとめ
今回は配管の「アースボンド」に関して簡単にまとめてみました。
- アースボンドは配管同士の電位差をなくし静電気の発生を抑制させるために使用する。
- アースボンドは可燃性流体など静電気の火花によって発火する可能性のある物質に用いる。
- アースボンドをする際は必ずルート上のどこかで地面に設置されていることを確認する。

みんなも配管の設計をする際はアースボンドが必要か必ず確認をして安全な配管設計を行ってね!
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